弊社にご相談を依頼されるお客様は、四柱推命をご存知の方が多いです。ご存知と言うのは、自分で多少は勉強してる方とか、本を買って、自分で少し占ってみたとか、そういう方です。自分の生年月日で命式を出してみたが、自分がどういう運命を持って生まれてきているのか？自分の良い時期はいつか、良くない時期はいつか、結婚縁はどうか、財運はどうか・・etc。そういうことが自分では解釈できない方が多いようです。それもやむを得ないと思います。四柱推命の入門書では格局や喜神、忌神の見極め方などは、まず載っていませんので。
四柱推命には当たる四柱推命と、当たらない四柱推命があります。四柱推命もピンキリです。どれも同じではありません！
弊社で四柱推命鑑定（アドバイス）を受けた方の中には、「当たった！」と非常に驚かれる方が、たまにいらっしゃいますが、そんなに驚くべきことではありません。「四柱推命はよく当たる」、「四柱推命は占いの王者、帝王」、「四柱推命は運命学の最高峰」などのキャッチコピーが付いてますが、誇大な表現ではありません。ただし四柱推命もピンからキリまでなので、全ての四柱推命プロの行う四柱推命がよく当たるというわけではありません。
特に生まれた時刻を考慮しない三柱推命（さんちゅうすいめい）プロや、格局（かっきょく）、喜神（きしん）、忌神（いまがみ）を出さず、十二運（じゅうにうん）、通変星の意味ばかりで解釈するプロの四柱推命は精度が低いですし、未来予測など、まともにできません。ただ、そのような四柱推命は、「性格」や「職業適性」や、「その他の雑多なパーソナリティ、行動パターン」は比較的に当たります。
しかし、それは四柱推命なら当たり前のことです。格局、喜神、忌神を出さなくとも、通変星や十二運や日干などから「解釈、意味」を引き出すことは可能ですし、その意味、解釈は比較的に当たります（喜神、忌神を見極めなくても、まずまず当たる）。
そんなプロでも通用するのが、日本の四柱推命の業界なんです。四柱推命占い師もピンからキリまでです。あまり当たらない占い師もいれば、良く当たる占い師もいるということです。
それでは今から、「四柱推命のレベル、段階」を順番に説明します。
※あくまでも私の行う中国式四柱推命での考え方なので、他の流派では、違う段階分けをされているところもあるでしょう。
四柱推命流派は色々ありますが、四柱推命の見方（判断方法）で大きく分類して、こういう四柱推命は高度な見方で（精度が高い）、こういう四柱推命は低度（精度が低い）というものがあるのです。高度だから良い、低度だから悪いとは言いませんが、低度な四柱推命をされる団体が、「的中率９〇％」とか、「良く当たる」などの類のキャッチコピーを出してたら、少し注意されたほうがいいです。
第一段階 通変吉凶、神殺（しんさつ）による四柱推命
通変吉凶、神殺（しんさつ）による四柱推命です。これは、天徳貴人（てんとくきじん）、月徳貴人（げっとくきじん）などの神殺星（しんさつせい）を用いる四柱推命です。そして、劫財だから財を奪う（浪費、散財）、傷官だから配偶者を剋す（夫婦不和、離婚）、正官だから出世する、比肩だから性格は頑固とか、倒食だから良くないとか（偏印が食神を剋すこと）、通変星に固定的な意味を持たせて判断する四柱推命も含まれます。
現在でも、四柱推命の入門書に、この第一段階の判断法が載っていることがあります。大正時代から昭和初期までは、このような四柱推命でも普通でした（今は令和の世ですよ）。
第二段階 通変の大過（たいか）、不及（ふきゅう）、十二運（じゅうにうん）による四柱推命
この第二段階で研究が止まっているプロの先生方も、いらっしゃるかもしれません。天干（てんかん）と蔵干（ぞうかん）の通変星（つうへんせい）を見て、食神が多いから、偏印は良いとか、劫財が多いから正官で抑えようとか、傷官が多いから印綬が欲しいとか、そういう多すぎを減らして、少ないのは欲しいと判断する四柱推命です。これは一見、もっともらしいのですが、五行の強弱（ごぎょうのきょうじゃく）が正確に判断できていない可能性があり、少々不正確と言えます。
通変星の数だけで、その五行の強さを決めると言う、少々、危なっかしい四柱推命ですから、正確性の点で少し心配です。この第二段階の判断方法を、「三柱推命（さんちゅうすいめい）」でやってるプロが最近多いのですが、かなり危なっかしいです。また、従格（じゅうかく）、内格（ないかく）の見極めの点で少々精度が甘い？ような印象を受けます。中には従格、内格の概念さえ用いない流派もあるかもしれません。
第三段階 五行の強弱、格局（かっきょく）、喜神（きしん）・忌神（いまがみ）による四柱推命
これが現在の主流の四柱推命ではないかと思います。五行の強弱（ごぎょうのきょうじゃく）により格局を決めて、喜神、忌神（良い五行、良くない五行）を見極めて、良い時期、悪い時期などを判断します。地支には「根」を含むという考え方をします。このレベルの四柱推命に入ると、やっと四柱推命らしい、「よく当たる精度」が出てくると言えるでしょう。
滴天髄（てきてんずい）方式と呼ぶ方もいるかもしれません。この滴天髄（てきてんずい）は四柱推命の原書（げんしょ）です。明代に軍師だった劉伯温が600年以上前に大成、確立しました。滴天髄（てきてんずい）は、まともな四柱推命プロなら誰でも１度は名前を聞いたことがありますし、訳書なら読んだ方も結構おられるでしょう。しかし滴天髄（てきてんずい）を知らないプロも中にはいます（三柱推命プロなど）。
第四段階 十干（じゅっかん）による四柱推命（第三段階も加味します）
この段階が一応は四柱推命の最終段階です（まだまだ先があります）。十干の特性を考慮、活用した判断です。壬と己が悪い関係とか、甲が辛を剋すとか、強い庚には丁で剋すと良いとか、乙は甲を強めないとか、甲は丙を強めないとか、そのような十干の微妙な干関係を加味して、第三段階も加えて見る四柱推命です。
弊社も、この第四段階を皆さんの四柱推命判断に取り入れてます（第三段階も当然用います）。良く当たる四柱推命に不可欠なのが十干による四柱推命ということです。四柱推命の最終段階とは言え、600年以上も前に、中国で確立されていた理論です。
※この先にも、奥深い理論はあります。四柱推命は底なしです。
以上、長々と書きましたが、四柱推命には段階（レベル）があるということです。一般の四柱推命好きな皆さんが心配される、「食神と偏印で倒食だから良くない」ですが、それは初歩の初歩、第一段階の四柱推命なんです。偏印が喜神で、食神が忌神で隣り合ってても、「倒食」とか言ってては、どうしようもありません。そういう初歩的な四柱推命を、「本当の四柱推命」と思われても、私としては困るわけです。もう勝手にしろ！って感じです（笑）。
信じる方々も気の毒と言うか、説明して間違いだと納得させるのも、最近、面倒臭くなってきました。十二運で性格を見るとか、通変星と十二運の組み合わせであれこれ判断する四柱推命も、第一段階ぐらいの四柱推命です。
※参考図書 四柱推命活用秘儀 佐藤六龍先生著